1940年の逆説

1940年、フランス軍の戦車はドイツ軍より多かった。性能も劣っていなかった。

それなのにフランスは6週間で崩壊した。なぜか。

使い方が違ったからだ。

GERMANY

集中運用

  • 戦車を装甲師団に集中
  • 突破点に全力投入
  • 縦深に突破して包囲

FRANCE

分散運用

  • 戦車を歩兵師団に分散配置
  • 歩兵支援として使用
  • 全戦線に薄く広げる

グデーリアンの原則

「戦車は分散させるな。拳のように集中して、一点を殴れ」

グデーリアンは戦車の本質を理解していた。戦車は「歩兵を支援する兵器」ではない。独立した突破兵力だ。

なぜ集中が必要か

局所優勢を作るためだ。

全体では敵より少なくても、一点に集中すれば、その点では優勢になれる。優勢な点で突破し、敵の後方に出る。これが電撃戦の基本だ。

100両の戦車があるとする。

10km の戦線に10両ずつ配置すれば、どこでも10両。敵も10両ずつなら、どこでも互角。膠着する。

100両を1点に集中すれば、その点では100対10。圧倒的優勢。突破できる。

SCHWERPUNKT

主攻点。全力を集中する一点。電撃戦の鍵。

装甲師団の誕生

グデーリアンは戦車を歩兵師団から独立させ、装甲師団を創設した。

装甲師団は戦車を中心に、自動車化歩兵、自走砲、工兵を統合した機動部隊だ。歩兵師団に頼らず、自立して作戦できる。

これにより、戦車部隊は歩兵の足に縛られなくなった。戦車の速度で前進できるようになった。

フランス軍の誤り

フランス軍も戦車を持っていた。だが「歩兵支援」という第一次大戦の発想から抜け出せなかった。

戦車を歩兵師団に分散配置し、歩兵と一緒にゆっくり進む。戦車の機動力を殺していた。

個々の戦車の性能が優れていても、分散していれば各個撃破される。

現代への教訓

リソースを分散させるな

人員を10プロジェクトに分散させれば、どれも中途半端になる。重要なプロジェクトに集中すれば、そこで勝てる。

局所優勢を作れ

市場全体で勝てなくても、特定セグメントで圧倒的になれる。全方位より、一点集中。

独立した機動力を持て

他部門に依存していると、その部門の速度に縛られる。自立して動ける体制を作れ。

電撃戦最強。グデーリアン最強。

分散するな、集中せよ。前進あるのみ。