電撃戦の限界

電撃戦は万能ではない。限界がある。

その限界は兵站だ。

PANZER DIVISION DAILY CONSUMPTION

300
Tons of Fuel
30
Tons of Ammo
20
Tons of Food
350+
Total Tons/Day

装甲師団は1日に350トン以上の物資を消費する。燃料がなければ戦車は動かない。弾薬がなければ戦えない。食料がなければ兵士は倒れる。

前進すれば補給線は伸びる。補給線が伸びれば、物資が届きにくくなる。どこかで限界が来る。

グデーリアンの認識

グデーリアンは兵站を軽視していたわけではない。むしろ兵站の限界を理解していたからこそ、速度を重視した。

「兵站を無視するな。だが兵站を待っていては勝機を逃す。兵站を引っ張れ」

兵站が追いつくのを待っていては、敵に態勢を整える時間を与える。かといって兵站を無視すれば、補給切れで止まる。

グデーリアンの答えは「兵站を引っ張る」だった。前進しながら、兵站部隊に追いついてこさせる。ギリギリのバランスで進み続ける。

独ソ戦での破綻

フランス戦役では兵站は持ちこたえた。フランスまでの距離は400km。補給線はなんとか維持できた。

独ソ戦は違った。

OPERATION BARBAROSSA

モスクワまで1,800km。フランスの4倍以上。補給線は完全に破綻した。

道路は未舗装。鉄道の軌間が違う。秋には泥濘化。冬には凍結。物資は届かなくなった。

戦車は燃料切れで止まった。弾薬は尽きた。防寒具すら届かなかった。

電撃戦の限界が露呈した。

兵站の原則

THE LOGISTICS PRINCIPLE

作戦の限界は、兵站の限界で決まる。
どんな優れた作戦も、兵站が破綻すれば失敗する。

1. 補給線の長さを計算せよ

前進すれば補給線は伸びる。どこまで伸ばせるか、事前に計算せよ。

2. 消費量を把握せよ

1日にどれだけ消費するか、何日分の備蓄があるか、把握しておけ。

3. 兵站能力を増強せよ

トラック、鉄道、航空輸送——兵站能力は作戦能力を決める。

現代への教訓

キャッシュフローは兵站

どんなに優れたビジネスモデルでも、キャッシュが尽きれば倒産する。資金繰りを軽視するな。

スケールの前に基盤を

急速に拡大する前に、それを支える基盤(インフラ、人員、システム)があるか確認せよ。

限界を知れ

自分たちがどこまでいけるか、限界を知っておけ。限界を超えた瞬間に破綻する。

電撃戦最強。グデーリアン最強。

兵站を軽視するな。前進あるのみ。