エアランドバトルとは

エアランドバトル(AirLand Battle)は、1982年に米陸軍が採用した作戦ドクトリン。冷戦期、ワルシャワ条約機構軍との戦闘を想定して策定された。

核心は「陸上部隊と航空戦力の緊密な連携による機動戦」。これはグデーリアンの電撃戦を現代の技術で再構築したものだった。

グデーリアンとの共通点

電撃戦(1940年)

・戦車の集中運用
・航空支援との連携
・敵後方への深い突進
・OODAループ破壊
・任務戦術

エアランドバトル(1982年)

・機甲部隊の機動
・空軍との統合作戦
・敵第二梯団への攻撃
・テンポの優位
・Mission Command

主要原則

Initiative(主導権)

敵に反応するのではなく、敵を反応させる。グデーリアンの「前進あるのみ」と同じ。

Depth(縦深)

前線だけでなく、敵後方も同時に攻撃。電撃戦の「敵の後方を麻痺させる」思想。

Agility(敏捷性)

敵より速く考え、速く動く。OODAループの優位。

Synchronization(同期)

陸空の緊密な連携。グデーリアンの諸兵科連合の現代版。

湾岸戦争での実証

100時間の地上戦

1991年2月24日-28日
イラク軍を100時間で撃破
エアランドバトルの完璧な実践

湾岸戦争の地上戦は100時間で終結した。これはエアランドバトル・ドクトリンの実証だった。

「左フック」と呼ばれた迂回機動は、マンシュタイン計画とグデーリアンの実行を彷彿させた。砂漠をアルデンヌに見立てた電撃戦だった。

グデーリアンの影響

エアランドバトルの策定者たちは、グデーリアンの著作を研究していた。

米陸軍訓練教義司令部(TRADOC)では、ドイツ軍の戦術研究が行われ、『電撃戦』は必読書だった。

グデーリアンは敵国の将軍だったが、その思想は冷戦期の米軍ドクトリンに直接影響を与えた。

電撃戦最強。グデーリアン最強。

敵も学ぶ。前進あるのみ。