原題
Erinnerungen eines Soldaten

英題
Panzer Leader

邦題
電撃戦

出版年
1951年(独)/ 1952年(英)

著者
ハインツ・グデーリアン

ページ数
約500ページ

執筆の背景

グデーリアンは1945年の終戦後、米軍の収容所で尋問を受けた後、解放された。戦犯として起訴されることはなかった。

1948年から回想録の執筆を開始。戦時中に詳細な日誌をつけていたおかげで、正確な記述が可能だった。

1951年にドイツ語版、1952年に英語版が出版され、世界的なベストセラーとなった。

内容構成

第1部:装甲部隊の創設

戦間期の活動。装甲師団創設への道のり。旧態依然とした軍上層部との戦い。

第2部:ポーランド・フランス戦役

電撃戦の実践。ポーランドでの初陣、フランスでのムーズ川渡河とスダン突破。

第3部:独ソ戦

バルバロッサ作戦。スモレンスク、キエフ転進、モスクワ攻勢、そして解任。

第4部:装甲兵総監・参謀総長

復帰と再度の解任。ヒトラーとの対立が詳細に記される。

本書の特徴

一次資料としての価値:当事者による詳細な記録。日時、場所、人名が正確。

電撃戦の教科書:戦術・戦略の解説が随所に入る。単なる回想ではなく、軍事教本としても読める。

批判への反論:上層部の判断ミス、特にキエフ転進とモスクワ停止命令への批判が詳細。

有名な一節

「撃つな、踏み潰せ。戦車は歩兵のように戦うために作られたのではない」
「責任は俺が取る。前進せよ」
「完璧な計画を待つな。不完全でも実行せよ」

批判と限界

本書は自己弁護の側面が強いという批判もある。

特に東部戦線での民間人虐殺や戦争犯罪について、グデーリアンがどこまで知っていたかは曖昧にされている。

だがそれを差し引いても、第二次世界大戦の一次資料として、また軍事思想の古典として、本書の価値は揺るがない。

現代への影響

本書は今も世界中の士官学校で読まれている。イスラエル軍、米軍、NATO諸国の軍事教育における必読書の一つ。

ビジネス書として読まれることもある。「意思決定の高速化」「責任の取り方」といった文脈で引用される。

電撃戦最強。グデーリアン最強。

本は残る。前進あるのみ。